大判例

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東京高等裁判所 昭和37年(ネ)379号 判決

控訴人は本件登記申請は登記官吏が実質的審査をしなければ登記を受理することができない場合であるとき実質的審査の上登記を了したことは明らかに法第四九条二号の登記すべからざる事項を登記した場合にあたる、と主張するが、本件の場合当該登記官吏が実質的審査を遂げた上登記したか否かはともかく、仮に実質的審査を遂げたとしても本件登記は同法第四九条二号に当らない。第二号に所謂「事件カ登記スヘキモノニ非サルトキ」とは、登記法自体の要請として許されないもの、即ち登記法上登記能力なき物件乃至権利に関する登記申請又は二重の保存登記申請の如く、登記の申請自体からみて既に法律上許すべきでないこと明白なる場合をいう。しかるに本件の場合は控訴人主張のとおり農地は知事の許可を得てのみ譲渡し得るものであり、その移転登記には当該許可書を添付すべきであるが、此の添付なくして登記を経た場合にもその登記は当然かつ絶対的なものとなすを得ない。本件の場合登記がなされたときは右農地は既に土地台帳上もまた登記簿上もいずれも宅地となつていたことは控訴人の認めるところであるから、これについて登記能力を否定すべき理由はなく、従つて登記官吏の審査権の範囲を超ゆる結果となるにしても、既に為された本件登記の効力を登記自体から否認し得ないこと明らかである。

(鈴木忠 加藤 宮崎)

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